素焼き(800度)後の器を水洗いし、生地に付着しているゴミやホコリをとります
この作業をすることで釉薬による不具合を減らせます(ピンホール、ちぢれ、ブクなど)
使用する釉薬を濾しておきます(右図)
釉薬にゴミが混じっていると焼き上がりに影響しますので柴田窯では毎回濾します
焼き上がりが内側と外側で違う釉薬になる「掛分け」の釉掛けです
まず内側の釉薬をかけます
手首を回してムラができないようにかけます
上手くかけないと後の仕上げが大変になりまた焼きムラになります
釉掛けはとにかく数をこなすことでうまくなります
昔は専門の職人さんがいたそうです。それほど作品の出来を決定する重要な工程です
内側の釉薬をかけた後よく乾かして、外側の釉薬をかけます
内側に違う種類の釉薬がかかっているので外だけかかるようにギリギリまで浸けます
失敗して内側に釉薬が入ってしまうと釉薬の種類によっては洗っても駄目です。ゴミです
慎重になってギリギリまで浸けられないと口元に釉ムラができます
後の仕上げで筆で塗ってもスカッとした焼き上がりにならないのでかなり集中する工程です
釉薬の表面が波打っているとうまく出来ないし、しっかり混ぜてすぐかけないと成分が沈殿して変な焼き上がりになるしとなかなか難しい作業です
釉薬をかけ終えた器をしばらく乾かして仕上げをします
まずは焼くときに板に触れる部分の薬を剥がします
ただ引っ付かないように剥がすのではなく景色になるように剥がします。器の足元が不細工だと全体の印象が悪くなります。品のある器は足元が大事だと教わりました。
口縁部分に筆で釉薬を塗ります
この部分は飲み口になるので特に気を使います
筆の塗り方がそのまま焼けて出てくるので均一に塗り残しが無いように、ザラザラにならないように丁寧に作業します
出来上がりです
内側が白く、外側が緑に焼きあがります
釉薬掛けがうまくいかないと作品が簡単にダメになります
釉薬の濃さ、浸ける時間、器の厚みによる吸いのスピードなど毎回違うのでほとんど感覚です。濃度計使ってるんですけど。 釉薬掛け本当に悩ましいです
最後の工程「焼成」です。酸化焼成と還元焼成がありますが今回は「酸化」
電気窯の窯詰め。ゴミが落ちないように注意します
柴田窯には大きい窯と小さい窯の二つがあります。どちらも電気窯です
小さい窯は譲っていただきました。大切に使っています
1230度で焼成しています
陶芸は最後に焼成の工程があるのが最大の魅力であり欠点でもあります
思った物が焼けなかったり、思っている以上の物が焼きあがったりします
人事を尽くして天命を待つような、手を抜くと必ず返ってきます